雑草について

「雑草という植物はない」とは昭和天皇の言葉だ。

「雑草のようにたくましく生きる」、踏まれても、抜かれても、刈られても逞しく生きる雑草に人々は強さを感じる。

それでは雑草とは何だろう。雑草は「望まれないところに生える植物である」と定義されている。人間に邪魔者扱いされたときに、その「植物」は「雑草」となる。食すことのできる春の七草、薬草となる多くの野草、美しい花を咲かせ和ませてくれる多くの野草も、それが目的でないとき雑草として扱われる。雑草を題材とするいくつかの本では、道端や人家、田畑やその周辺で見られる野草が取り上げられている。オオイヌノフグリ、スミレ、ハコベ、ヨモギ、オオバコ、ツユクサ、スベリヒユなどがその代表的なものだ。少なくともここでは野草と雑草の区別はない。

私が所属している環境NPOでは植生調査や野草園(その土地で自然に育っている野草が対象)を管理する班がある。野草園の草取りは私にはチンプンカンプンなのだが、その人達は何の迷いなく雑草を引っこ抜いていく。やはり野草と雑草は違うのだ。

少なくともすみれ愛好家にとってスミレが雑草でないことだけは間違いない。

タネツケバナ
固められた小石の間から生えてきたたくましいタネツケバナ

参考にした本
 雑草のはなし 田中修 中公新書
 道端植物園 大場秀章 平凡社新書
 身近な雑草のふしぎ 森昭彦 サイエンス・アイ新書
 身近な雑草のゆかいな生き方 稲垣栄洋 草思社

アサギマダラ

 アサギマダラの名前に出合ったのは福岡伸一のエッセー「アサギマダラの謎」だったと思う。『かつて昆虫少年だった福岡ハカセが多摩川沿いの道でアサギマダラを見つけて、マーキングがあるかどうか確かめてみようと近づいたら、花に止まった蝶はアサギマダラではなくアカボシゴマダラチョウだった。沖縄や奄美大島にいるはずの蝶がなぜこんなところにいるのだろう。』という内容だ。

 アサギマダラは長い距離を旅する渡り鳥ならぬ渡り蝶で、春に台湾や沖縄、南西諸島で生まれて本州まで北上してくる。また、北上個体は6月前後に本州で産卵し、成長した後、秋にこんどは沖縄や南西諸島に向けて南下の旅をする。本州から小笠原諸島に旅した例も見つかっている。南下の際に、交尾を終えれば、途中の食卓となるキジョウランに卵を産みながら移動する。秋に産卵されるとその年のうちに孵化し、幼虫の形態で越冬する。高尾山のキジョウランでも幼虫を見つけることができるそうだ。

 なぜそんなことが解るかというと、全国の愛好家たちのアサギマダラのマーキング運動による。アサギマダラを網で優しく捕獲し、翅の裏にフェルトペンで捕獲場所、日付、捕獲者を記入し再び放つ。別の地点で再捕獲すると記されたデータをすぐにネット経由で報告する。移動ルートや距離、移動にかかった日数が解るのだ。なかには2000キロも旅するものもあるという。

 多摩川沿いの道を歩いているとアサギマダラがひらひら飛んできて、これは高尾山で越冬したものだろうか、喜界島から北上してきたのだろうか、それとも蔵王山や福島のグランデコスキー場辺りから南下してきたのかなと考えるだけでも楽しいのではないか。

005アサギマダラ
多摩動物園の昆虫館で飼育されているアサギマダラ
アサギマダラが蜜を吸っているのは好物のヨツバヒヨドリ、フジバカマなどのキク科フジバカマ属の花のようだ。

参考にした本
 [ルリボシカミキリの青] 福岡伸一 文春文庫
 [謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?] 栗田昌裕 PHP研究所

セイタカアワダチソウ

 セイタカアワダチソウは北アメリカ原産の外来種である。かつては迷惑な外来野草として秋の野草を駆逐し、すっかり嫌われ者になった。まるで湖に放たれたブラックバスやブルーギルのように。おまけに花粉症の原因ともされ騒がれたが、スギ花粉のように花粉を飛ばして受粉するのではなく、虫による受粉を行い自ら花粉を飛び散らかすことはない。
 近づいてよく見ると小さな花が集まって穂を形成していて美しい花だと思う。ススキと並んで金色の穂を棚引かせているのを見ると、自分の居場所を見つけてすっかり定着したようだ。

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004(セイタカアワダチソウ)

019セイタカアワダチソウ

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セイタカアワダチソウにはススキがよく似合う

ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモン
ツマグロヒョウモンの雌 東京都多摩市

 もともと南方系の蝶が地球温暖化の影響か、西の園芸業者のビオラ・パンジーの苗とともに広がったのか、東京でも見られるようになって久しくなります。このツマグロヒョウモン、我々すみれ仲間では大変な嫌われ者です。愛情をこめて育てたすみれの葉があっという間に食べ尽くされてしまうからです。対抗手段は幼虫を捕獲することで、一夏で数百匹捕まえたというような話を聞きます。4階以上の高層階には比較的やって来ないようで、私も4階のベランダですみれを育てていますが、幸いまだ被害にあったことはありません。ただ、最近アゲハチョウやシジミチョウがベランダを舞っているのを何度か見かけたのでツマグロヒョウモンがやって来ても不思議ではありません。
 ツマグロヒョウモンはスミレやビオラ・パンジー何でも食べるようですが、多少好みがあるようでタチツボスミレの仲間はあまり好まないようです。
 先日、ホームセンターの園芸コーナーで雄雌合わせて10匹のツマグロヒョウモンが乱舞し、雌の1匹がビオラの苗に一心不乱に卵を産み付けていましたが、ただ呆然と眺めているばかりでした。
プロフィール

豆太郎

Author:豆太郎
性別:男性
都道府県:東京
自己紹介:
 多摩丘陵をきままに散策しています。すみれに魅せられて自分でも栽培しています。

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