アサギマダラ

 アサギマダラの名前に出合ったのは福岡伸一のエッセー「アサギマダラの謎」だったと思う。『かつて昆虫少年だった福岡ハカセが多摩川沿いの道でアサギマダラを見つけて、マーキングがあるかどうか確かめてみようと近づいたら、花に止まった蝶はアサギマダラではなくアカボシゴマダラチョウだった。沖縄や奄美大島にいるはずの蝶がなぜこんなところにいるのだろう。』という内容だ。

 アサギマダラは長い距離を旅する渡り鳥ならぬ渡り蝶で、春に台湾や沖縄、南西諸島で生まれて本州まで北上してくる。また、北上個体は6月前後に本州で産卵し、成長した後、秋にこんどは沖縄や南西諸島に向けて南下の旅をする。本州から小笠原諸島に旅した例も見つかっている。南下の際に、交尾を終えれば、途中の食卓となるキジョウランに卵を産みながら移動する。秋に産卵されるとその年のうちに孵化し、幼虫の形態で越冬する。高尾山のキジョウランでも幼虫を見つけることができるそうだ。

 なぜそんなことが解るかというと、全国の愛好家たちのアサギマダラのマーキング運動による。アサギマダラを網で優しく捕獲し、翅の裏にフェルトペンで捕獲場所、日付、捕獲者を記入し再び放つ。別の地点で再捕獲すると記されたデータをすぐにネット経由で報告する。移動ルートや距離、移動にかかった日数が解るのだ。なかには2000キロも旅するものもあるという。

 多摩川沿いの道を歩いているとアサギマダラがひらひら飛んできて、これは高尾山で越冬したものだろうか、喜界島から北上してきたのだろうか、それとも蔵王山や福島のグランデコスキー場辺りから南下してきたのかなと考えるだけでも楽しいのではないか。

005アサギマダラ
多摩動物園の昆虫館で飼育されているアサギマダラ
アサギマダラが蜜を吸っているのは好物のヨツバヒヨドリ、フジバカマなどのキク科フジバカマ属の花のようだ。

参考にした本
 [ルリボシカミキリの青] 福岡伸一 文春文庫
 [謎の蝶アサギマダラはなぜ海を渡るのか?] 栗田昌裕 PHP研究所
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豆太郎

Author:豆太郎
性別:男性
都道府県:東京
自己紹介:
 多摩丘陵をきままに散策しています。すみれに魅せられて自分でも栽培しています。

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